1か月の収入の中で、目標貯金額や住居費の適性を考えていらっしゃる意識の高さが素晴らしいですね。
まずは、ご自身の現状の家計について何にいくら使っているかを書き出してみてください。下記の項目を参考にざっくりとで構いません。
次に、住居費や食費などそれぞれの支出が、1か月の収入全体のどのくらいの割合を占めているか、家計バランスを出してみましょう。
例えば、住居費であれば、
1か月の家賃(もしくは住宅ローンの返済額)÷1か月の手取り収入×100=住居費が家計に占める割合(%)
となります。
住居費の理想は20~25%ですが、一人暮らしであたり、都市部に住んでいれば家賃もかさむでしょうから、30%以内が理想になります。それ以上になると他の支出に支障をきたしてしまいます。
それぞれの支出項目についても、上記の「理想の家計配分の目安」と比べてみましょう。
極端に違いがある費目はありませんか?こちらはあくまで目安ですので、ご自身の価値観と照らしあわせてみましょう。
例えば、「もう少し家賃の安いところに引越しをしたいが、現状は難しいので高めでOKとする。その分、通信費を格安スマホに変える」など、自分の中で理由付けができればOKです。
また、支出は大きく分けて「固定費」と「変動費」があります。固定費というのは、「住居費、水道光熱費、通信費、生命保険料」など必ず引き落とされる支出のこと。
変動費は「食費、こづかい、その他」など固定費以外のお財布から出ていく支出をいいます。
「1か月の収入=固定費+変動費+貯蓄」となりますが、ご自身の家計バランスはどのようになりましたか?
上記のように理想のバランスは「固定費=40%・変動費=40%・貯金=20%」となります。貯蓄ができていないようであれば、固定費から見直してみるとよいですよ。
シングルの家計配分の目安
●目標貯金額 20%
●固定費の割合 40%
(住居費 30%以内、水道光熱費 5~6%、通信費 3~4%、生命保険料1.5%)
●変動費の割合 40%
(食費 15%、その他 10%~12%、小遣い13~15%)
年収300万円の方の場合、具体的な支出額は下記のようになります。
この先の収入が変動しても、この割合を目安にして各費目の適正な支出額をまずは出してみてください。それからご自身の価値観や状況を反映して調整していけばOKです。
ご質問にあった年収300万円(手取り月収を20万円とした場合)の理想の年間貯蓄額は、48万円になります。
年収300万円(手取り月20万円)の場合
●目標貯金額 4万円
●固定費の合計 8万円
(住居費 6万円以内、水道光熱費 1万円~1万2000円、通信費 6000円~8000円、生命保険料 3000円)
●変動費の割合 8万円
(食費 3万円、その他 2万円~2万4000円、小遣い 2万6000円~3万円)
<計算の仕方>
1か月の手取り収入×理想割合(%)=適正な支出額の目安(万円)
(例)20万円 ×目標貯金額の割合 0.2 =4万円
大切なのは、自分にあった家計配分を決めることです。
自分にとってどうしても譲れない支出項目があるとすれば、それはなにか。そこを確保するために、他の支出で削れるところはないか。そのようにしてオリジナルの家計配分を編み出していきましょう。
月によって変動はあると思いますので、「先月、飲み会が続いてお小遣いを使い過ぎちゃったから、今月は抑えよう」など、年間を通じて調整してもよいでしょう。
お金の使い方にはその人の人生が現れます。何を大事にし、これからどんなふうにお金を使って何をしていきたいのか、家計と向き合って考えてみてはいかがでしょうか。